クラシカル・プレイヤーズ東京 演奏会2016年02月06日




2016年2月6日 (土)
有田正広+クラシカル・プレイヤーズ東京@東京芸術劇場

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番
(フォルテピアノ:上原 彩子)
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メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」

フィンガルの洞窟ではオーボエが絶品。
三宮正満さんて言うんだ。
覚えておこう。

そして、モーツァルトのピアコン17番。
上原さんが白いドレスで下手から登場。
その上原さん、今回がフォルテピアノ初挑戦とのこと。

始まってみると、当然のことながら音がピアノに比べてまろやか。
刺々しさが一切なくとても心地良い。
木管だけでなく、ホルンとの音の調和もお見事。
なるほど、有田さんが古楽器に拘る気持ちも分かるような気がする。

しかし、このホルン。
演奏にはかなりの腕が要りそう。
先ほど活躍したトランペットは更にその上を行きそうだけど…

メインディッシュはメンデルスゾーンのスコットランド。
モーツァルトのピアコンが明るく軽やかだったのに比べて、こちらは暗くもの悲しい。
そのコントラストが実に絶妙。
また、このスコットランド自体の出来が何とも素晴らしい。
メンデルスゾーンってやっぱり天才なんだろうなぁ。

今日座った席はA席。
とは言うものの、2階の最後方。
流石にこのポジションだどオケの音量が若干不足気味。
できれば、もう少し小ぶりなホールの方がこのオケには相応しいかも…
杉並公会堂なんてどうでしょう、有田さん?

ベルリン・バロック・ゾリステン with 神尾真由子 & ジョナサン・ケリー2016年02月06日




2016年2月6日(土)
ベルリン・バロック・ゾリステン+神尾 真由子+ジョナサン・ケリー@サントリーホール

ヴァイオリン:神尾 真由子
オーボエ:ジョナサン・ケリー

C.P.Eバッハ:オーボエ協奏曲
J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲
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C.P.Eバッハ:弦楽のための交響曲
ヴィヴァルディ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 
ヴィヴァルディ:4つのヴァイオリンのための協奏曲
J.S.バッハ: ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲

芸劇を出たのがほぼ17時。
急いで池袋駅に向かい有楽町線で飯田橋駅へ。
そして飯田橋駅で南北線に乗り換え、六本木一丁目駅に着いたのが17時30分過ぎ。
意外と近い。やれやれ。

今日の席は予算の都合上P席。
まあ、間近で聴くことができるので良しとしましょう。

最初はC.P.Eバッハのオーボエ協奏曲。
いやぁ~、ジョナサン・ケリーのオーボエ、謳うなぁ。
経歴も知らずに聴きに来たけど、ケンブリッジ大学で歴史学を学んだ後、音楽の道に入った人なんだ。
1993年にバーミンガム市響で主席オーボエ奏者になったと言うことは、ラトルとラップしているなぁ。
で、2003年からベルリンフィルの主席オーボエ奏者か。
ん~、大物だったんだ。
知らなくて済みませんでした。

お次はドッペルコンチェルト。
東京でドッペルが演奏されると聞けば、基本的に聴くことにしているので、今回もやって来ました。

神尾さんが下手から登場。
相方はダニエル・ゲーテさん。
読響のコンマスでもお馴染みの方。

まあ、それにしてもベルリン・バロック・ゾリステンの奏でる音色の艶やかで優しいこと。
上手いだけじゃなくて味がある。
深いなぁ~。

神尾さんとゲーテさんの掛け合いもまずまず。
あまり合わせる時間もなかったろうに、流石プロ同士。
神尾さんの演奏は相変わらず正確無比。
でも、心なしか元気がないような気がする。
極わずかではあるけれど…

後半のヴィヴァルディのオーボエとヴァイオリンのための協奏曲。
いやはや、益々ジョナサン・ケリーのオーボエが謳うこと謳うこと。
明らかに神尾さん押されてるわ。

ヴィヴァルディの4つのヴァイオリンのための協奏曲では、今まで日の当たらなかった奏者にもようやく出番がやってきた。
まあ、皆さんお上手なこと。
普通のオケに戻れば、コンマスや首席1stや首席2ndを務めるメンバーばかりだから当然と言えば当然だけど、こんなに素晴らしいアンサンブルは他に見当たらないぐらい。

最後はバッハの ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲。
最初の一音を聴いた瞬間、総毛立ってしまった。
いや~、コメントできません。
参りました。

今日は他所でも魅力的なコンサートが開催されているけど、こっちに来て大正解たった。
ありがとうございました。

バレンボイムのブルックナー第1番2016年02月09日



〈ブルックナー交響曲ツィクルス1〉
2016年2月9日(火)
ダニエル・バレンボイム(Cond,Pf)+ベルリン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

モーツァルト: ピアノ協奏曲第27番
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ブルックナー: 交響曲第1番 ノヴァーク版第1稿(リンツ稿)

いよいよ始まりました、バレンボイムとSKBによるブルックナー交響曲ツィクルス。
今日はその第1回。

平日の夜、そして演目がブルックナーの初期の交響曲と言うこともあるのか、お客さんの入りはせいぜい7割程度。
4番、5番、9番は休日の昼に、8番は金曜日の夜に開催されるから恐らく相当の入りになるんだろうなぁ。

2番は平日の夜開催だけど、翌日が祝日だから今日より入りは良くなるんだろうなぁ。
3番は休日の昼だけどどうなんだろう?
6番も平日の夜開催だから苦戦するのかな?
7番は人気が高いから平日の夜開催でも善戦しそうだなぁ。

ホールに入って目についたのはグランドピアノ。
天板が取り外され、客席正面からだとバレンボイムの右顔ではなく背中が見える配置になっている。
なるほど、弾き振りだからこうなるんだ。

今日の席はP席中央。
ピアノの天板が外されているのでバレンボイムの顔を正面から見ることができる。
音も良く聞こえるはず。ラッキー!

前半はモーツァルトのピアノ協奏曲第27番。
彼の最晩年に作曲された最後のピアノ協奏曲。
元々モーツァルトの曲には無駄な部分がないけれど、この27番、本当に洗練されている。
バレンボイムが弾いているからそう感じるのかな?

SKBも素晴らしい。
文字どおりバレンボイムのピアノと一体となっている。
弦の響きは豊かだし、木管、特にフルートとピアノの掛け合いは絶品。
正に「ザ・協奏曲」。

後半はブルックナーの交響曲第1番。
モーツァルトが最後のコンチェルトだったから、こっちは(0、00番を除き)最初の交響曲にしたのかな?
いや、こっちを1番にしたから、ピアコンを27番にしたと言うべきかな?

この1番には、初期のリンツ稿とそのリンツ稿を晩年に練り直したウィーン稿があるけど、若々しさ、瑞々しさ、軽快感、躍動感に勝るのはこのリンツ稿。(だと思う。)
ウィーン稿がリンツ稿に勝るのは、重厚感や全体のまとまりだけだと思っていた。


ところがバレンボイムの指揮は、瑞々しさ、躍動感はそのままに、リンツ稿にも関わらず骨太で実に威風堂々としていた。
いや~、恐るべしバレンボイム!
こんな指揮をしちゃったら、ますますウィーン稿の存在意義が薄まっちゃうなぁ。
なんだかブルックナーが可哀想になってきた…

バレンボイムのブルックナー第2番2016年02月10日



〈ブルックナー交響曲ツィクルス2〉
2016年2月10日(水)
ダニエル・バレンボイム(Cond,Pf)+ベルリン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

モーツァルト: ピアノ協奏曲第20番
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ブルックナー: 交響曲第2番 ノヴァーク版第2稿(1877、キャラガン校訂版)

想像はしていたけど、昨日に比べてお客さんが多いな。
8割がた席が埋まっているなぁ。

前半はモーツァルトのピアノ協奏曲第20番。
27曲中、短調はこの20番と24番だけ。貴重だなぁ。

バレンボイム氏は昨日と同様暗譜での弾き振り。
暗譜でピアノを弾くは、オケを指揮するは、氏の頭の中って一体どうなっているんだろう?

そして、SKB。
やっぱり力量が半端じゃない。
特にウィオラやチェロの中音域が色っぽくて堪らない。
金管も絶好調。
指揮していて気持ち良いだろうなぁ。

後半はブルックナーの交響曲第2番。
この2番は何と言っても第2楽章。
ブルックナーの交響曲の緩徐楽章はどれも皆素晴らしいけど、この2番のそれは後期交響曲のそれに勝るとも劣らない。(と思う。)

目を閉じると、夜明け前の薄靄の漂う静かな森の中をさまよっているかのよう...
幽玄な世界とでも言うんだろうか。
あ~、いつまでも浸っていたいなぁ、この世界に…

気がつけば最終楽章まであっという間。
最後までオケを力強く牽引したバレンボイム氏、そして最後まで緊張感を保ちつつその棒に応えたSKBに大ブラボー!
本当にありがとうございました。


追記:
終演後、今回のコンサートに関するツイートをチェックしていたら何とあのパーヴォ・ヤルヴィが臨席されていたらしい。
多忙だろうにそんなにバレンボイム氏のことが気になるのかなぁと思って情報を深掘りしたら何となく理由が分かってきた。

今回の演奏で使用されたスコアはノヴァーク版第2稿(1877、キャラガン校訂版)。
1877年初稿校訂第2版(ノヴァーク版)や1877年初稿校訂(ハース版)を採用する指揮者が多い中、今回のスコアを採用するのは、有名どころではバレンボイム氏、ヤルヴィ氏、そしてアラン・ギルバート氏ぐらい。
ヤルヴィ氏は同志の奮闘を応援していたんじゃないだろうか?

バレンボイムのブルックナー第3番2016年02月11日





〈ブルックナー交響曲ツィクルス3〉
2016年2月11日(木・祝)
ダニエル・バレンボイム(Cond,Pf)+ベルリン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

モーツァルト: ピアノ協奏曲第24番
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ブルックナー: 交響曲第3番「ワーグナー」エーザー版(1877)

チクルス三日目。
サントリーホールの脇にドイツ国旗が掲揚されていたことに初めて気づいた。
初日、二日目は暗かったから仕方ないか。

前半はモーツァルトのピアノ協奏曲第24番。
バレンボイム氏は今日も暗譜。

モーツァルトのピアノ協奏曲は全部で27曲。
このうち、短調は昨日演奏された第20番とこの24番のみ。
大好きな曲なので評価は厳しくなる。

結果は...

稀に見る大名演。
特に第2楽章のピアノとオケの一体感は奇跡的。
27番も20番も良かったけれど、今回は更にそれらの上を行くもの。
マエストロもSKBの皆さんも、きっとご満悦なはず。

後半はブルックナーの交響曲第3番。
マエストロが登場し、おもむろに演奏が始まった。
おやっ?
スコアがない。
確か、第1番、第2番ではあったと思うけど、この3番は暗譜で良いんだ。

第1楽章冒頭から重厚なサウンド。
第2楽章では弦と木管に酔い、最終楽章は金管に酔い、もう満腹。

モーツァルトと言い、このブルックナーと言い、共に大名演なのに、お客さんの入りは7割に満たない。
いくらバレンボイム氏と言えども、ブルックナーの前期交響曲ではお客さんを呼べないのかなぁ?

そして、ちょっと気になったのがマエストロの健康状態。
演奏途中で額の汗を拭くのは当たり前として、指揮台のバーを左手で掴みながらそれに体重を預け、右手だけで指揮をすることが頻繁に…
お疲れなんだろうか?
明日はオフだろうからしかっり休んで、明後日のロマンティックに臨んでください。お願いします。

カンブルランのマーラー7番「夜の歌」2016年02月12日



2016年2月12日(金)
シルヴァン・カンブルラン+読売日本交響楽団@サントリーホール

モーツァルト: セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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マーラー: 交響曲第7番「夜の歌」

ここサントリーホールでは、バレンボイムのブルックナー・チクルスが開催されている。
9日が1番、10日が2番、11日が3番。
どれも素晴らしかった。
そして明日13日が4番、14日が5番、15日が6番、16日が7番、19日が8番、そして20日が9番。
このブルックナーだらけのはざまに聴くマーラー。
最高の贅沢と言っても言い過ぎではない。

前半は、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジーク。
カンブルランの指揮はいつも色鮮やか。
今日のモーツァルトはパステルピンクになったと思えば眩いシルバーになったり、時に深いグリーンになったり。
さすがカンブルラン。

そのタクトに応える読響の弦も絶好調!
クリアでふくよかで温かい。
おかげで日頃のストレスが見事に吹っ飛んだ。

後半はマーラーの 交響曲第7番。
直近の生「夜の歌」は去年4月に聴いた大野さん。
淡々とした中にも一本筋の通ったタクトだったけど、さてカンブルランはどんな夜の歌を聴かせてくれるんだろう?

結果は…

予想どおりエレガント。
と言うか、エレガントじゃないとカンブルランじゃない。
その点では大満足。

ただ、今一つ方向性がはっきりしないと言うか、表情の豊かさに若干欠けると言うか、煮え切らなさを感じたのも事実。
あくまでも好みの問題だけど...
今度はマエストロのタクトで4番あたりを聴いてみたいな。


追記:
トランペットの安定感恐るべし。
あんな若い人、読響にいたかな?
ヴィオラ(柳瀬さん?)、良い味出してます。
2ndヴァイオリン瀧村さん、ノリノリ。

バレンボイムのブルックナー第4番2016年02月13日



〈ブルックナー交響曲ツィクルス4〉
2016年2月13日(土)
ダニエル・バレンボイム(Cond,Pf)+ベルリン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

モーツァルト: ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」
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ブルックナー: 交響曲第4番「ロマンティック」ノヴァーク版第2稿(1878/80)

このところ寒かった東京、今日はとても暖かい、いや暑い。

予想どおり、ホールの中に入ってみると多くのお客さんでごった返している。
まあ、ロマンティックだし、仕方ないか。

前半はモーツァルトのピアコン26番。
この曲、個人的には第1楽章が好きではない。
わざと汚く響くようにモーツァルトが作曲したような気がする。
気のせいかも知れないけど。

ところがバレンボイムの手にかかると、まあ驚いたこと、ピアノとオケの一体感も相まってこの上なく清らかで美しい。
マエストロの力量恐るべし。
最終楽章のエンディングは、心地良い緊張感で息をするのを忘れてしまうほど。

後半はブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」。
俗にブルックナー初心者へのお薦めと言われているこの曲、マエストロはどう料理してくれるのでしょう。

結果は…

清々しいほど奇をてらったところが全くない直球勝負。
大げさなデュナーミクやアゴーギクは一切なし。
ただただ各々の奏者に一音一音きちんと仕事させることだけを愚直に積み重ねるだけ。
言うだけなら簡単だけど、それを実行できるマエストロ、恐ろしいほど素晴らしい。

追記:
一般参賀あり。
これが実現したのは、自分のしつこいほどの拍手だったとの自負あり。
バレンボイム氏と握手できた2人、うらやましい。

バレンボイムのブルックナー第5番2016年02月14日



〈ブルックナー交響曲ツィクルス5〉
2016年2月14日(日)
ダニエル・バレンボイム+ベルリン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

ブルックナー: 交響曲第5番 ノヴァーク版

理屈は一切不要。
次元が違う!
サントリーホールが宇宙になった!
聴いているこちらは自ずから背筋がピンと伸び、息をするのを忘れること数回。
特に最終楽章は感涙もの。

ところが入りが半分程度。
第5番って、そんなに人気がないんだろうか?
個人的にはブルックナーの交響曲で好きなランキングトップ3に入るんだけれども。


追記:
今日のホルンは本当に素晴らしかった。
一方、昨日のホルン。
今日は姿が見えなかったけど、単に降り番だったからだよなぁ。
昨日の第1、第2楽章が若干不安定だったから、バレンボイム氏に引導を渡されたなんてことはないよなぁ。

追記2:
フルートも今日はトップを女性が務めていた。
本来の首席と思われる男性は、No.3だった。

バレンボイムのブルックナー第6番2016年02月15日



〈ブルックナー交響曲ツィクルス6〉
2016年2月15日(月)
ダニエル・バレンボイム(Cond,Pf)+ベルリン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

モーツァルト: ピアノ協奏曲第22番
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ブルックナー: 交響曲第6番 ノヴァーク版


昨日の5番。
メジャーな曲、そして日曜日の昼下がりにも係わらずお客さんの入りが芳しくなかった。
今日は6番。
5番ほどメジャーではないし月曜日なのでなおさら入りは良くないだろうと思っていたら、意外や意外、6割程度は席が埋まっている。

前半はモーツァルトのピアノ協奏曲第22番。
バレンボイムのピアノは可憐で小粋。
イメージカラーは淡いオレンジ色と言ったところか?
オケも相変わらず調子が良い。
弦や木管を中心としたバレンボイムとの掛け合いはもはや名人芸。

中休み。
2階から1階に降り、出入口付近でツイートをチェック。
ふと、スマホから目を離し、目の前に立っている人を見てみると、何とパーヴォ・ヤルヴィ氏!
あれっ?、今回2回目のご来場じゃないですか。

後半はブルックナーの交響曲第6番。
今日は昨日の5番と違い、倍管じゃないんだ。
コンマスは初顔、ヤンケは降り番らしく姿が見えない。
あっ!
一昨日のロマンティックで調子が悪かったホルンの兄ちゃんがいるぞ。

結果は…

何が良かったって、まずはオーボエ。
存在感が半端じゃない。
誰なんだこの女性奏者は?
プログラムに情報あったかな?

そして、フルートは前期交響曲でトップを務めたおじさんが返り咲き、見事な演奏を披露。
やっぱりSKBのフルートはこの人で決まり!

そして、ロマンティックで調子の悪かったホルンの兄ちゃん、今日はお見事でした。


今回の6番。
マエストロは5番の時のようにオケを極限までドライブすることはなく、じっくり聴かせる作戦をとった模様。

確かに、「重厚な5番」からこの6番、そして「癒やしの7番」への流れを考えると大いに納得できる。
でも、どうなんだろう?
この6番しか聴く機会がない人は、ショルティばりの金管の咆哮を堪能したかったんじゃないのかなぁ?


追記:
今回のブルックナー・チクルス。
ブルックナー連峰の縦走も、中盤の最大の難所を乗り切った感あり。
お見事です、マエストロ!

バレンボイムのブルックナー第7番2016年02月16日



〈ブルックナー交響曲ツィクルス7〉
2016年2月16日(火)
ダニエル・バレンボイム+ベルリン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

ブルックナー: 交響曲第7番 ノヴァーク版


いよいよブルックナー交響曲ツィクルスも後半戦。
今日は交響曲第7番。
この癒やしの交響曲をマエストロはどう表現してくれるのでしょう?

今日のコンマスは前期三大交響曲でコンマスを務めたおじさんが復帰。
安定感抜群。
ヤンケは今日も姿が見えない。

昨日の6番まではP席からの鑑賞だったので、オケのメンバーが良く見渡せたけれど、今日は正面席。
なので、木管や金管のメンバーの様子が分からない。
音響的には抜群だけど、指揮者と奏者の駆け引きを目の当たりにしたいのなら、やっぱりP席だよなぁ。安いし。

演奏が始まった。
弦が相変わらず良い。
特に、ヴィオラとチェロは聴かせるなぁ。
中音域がしっかりすると、曲全体の奥行きが変わってくるような気がする。

第2楽章。
本当はシンバルやトライアングルがないハース版の方が好みだけれど、致し方なし。
その鳴り物。
バレンボイムのタクトはとても控えめ。
突き刺さる感じは一切なく、とても心地よい。
素晴らしい!

第3楽章。
トランペットが珍しくひっくり返ってしまったけど、たまには仕方ないこと。
それよりも前半、弦のアンサンブルが今一つチャーミングに聞こえてこなかった。
決してまとまっていないとか、汚いとか、テンポが変と言うことはないけれど、どうもバレンボイムの魂が入っていないような気がした。
そう感じたのは自分だけだろうか?

最終楽章。
金管群、素晴らしい!
弦も木管も打楽器も気持ちが入っている。
そして終盤、最高潮に達した後のゲネラル・パウゼ。
呼吸ができない。一体いつまで続くんだ。
お願いです、早く次の音を聴かせてくださいマエストロ。


最後の一音が鳴り響き、マエストロの腕が降ろされた。
無音の時間が10秒弱。
素晴らしい!
今回のツィクルス、本当に客層が良いなぁ。


追記:
残すところ8番と9番のみ。
金曜日が待ち遠しい。
木曜日のミューザ川崎に行ける人が羨ましい。

カウンター カウンター