バレンボイムのブルックナー第1番2016年02月09日



〈ブルックナー交響曲ツィクルス1〉
2016年2月9日(火)
ダニエル・バレンボイム(Cond,Pf)+ベルリン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

モーツァルト: ピアノ協奏曲第27番
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ブルックナー: 交響曲第1番 ノヴァーク版第1稿(リンツ稿)

いよいよ始まりました、バレンボイムとSKBによるブルックナー交響曲ツィクルス。
今日はその第1回。

平日の夜、そして演目がブルックナーの初期の交響曲と言うこともあるのか、お客さんの入りはせいぜい7割程度。
4番、5番、9番は休日の昼に、8番は金曜日の夜に開催されるから恐らく相当の入りになるんだろうなぁ。

2番は平日の夜開催だけど、翌日が祝日だから今日より入りは良くなるんだろうなぁ。
3番は休日の昼だけどどうなんだろう?
6番も平日の夜開催だから苦戦するのかな?
7番は人気が高いから平日の夜開催でも善戦しそうだなぁ。

ホールに入って目についたのはグランドピアノ。
天板が取り外され、客席正面からだとバレンボイムの右顔ではなく背中が見える配置になっている。
なるほど、弾き振りだからこうなるんだ。

今日の席はP席中央。
ピアノの天板が外されているのでバレンボイムの顔を正面から見ることができる。
音も良く聞こえるはず。ラッキー!

前半はモーツァルトのピアノ協奏曲第27番。
彼の最晩年に作曲された最後のピアノ協奏曲。
元々モーツァルトの曲には無駄な部分がないけれど、この27番、本当に洗練されている。
バレンボイムが弾いているからそう感じるのかな?

SKBも素晴らしい。
文字どおりバレンボイムのピアノと一体となっている。
弦の響きは豊かだし、木管、特にフルートとピアノの掛け合いは絶品。
正に「ザ・協奏曲」。

後半はブルックナーの交響曲第1番。
モーツァルトが最後のコンチェルトだったから、こっちは(0、00番を除き)最初の交響曲にしたのかな?
いや、こっちを1番にしたから、ピアコンを27番にしたと言うべきかな?

この1番には、初期のリンツ稿とそのリンツ稿を晩年に練り直したウィーン稿があるけど、若々しさ、瑞々しさ、軽快感、躍動感に勝るのはこのリンツ稿。(だと思う。)
ウィーン稿がリンツ稿に勝るのは、重厚感や全体のまとまりだけだと思っていた。


ところがバレンボイムの指揮は、瑞々しさ、躍動感はそのままに、リンツ稿にも関わらず骨太で実に威風堂々としていた。
いや~、恐るべしバレンボイム!
こんな指揮をしちゃったら、ますますウィーン稿の存在意義が薄まっちゃうなぁ。
なんだかブルックナーが可哀想になってきた…

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