モチベーション低下2016年01月11日



2016年1月11日(月)
梅田 俊明+東京フィルハーモニー交響楽団@東京文化会館
司会:朝岡 聡

シューベルト:「ロザムンデ」序曲
シューマン:チェロ協奏曲(Vc:水野 優也 *弦楽部門第1位及び聴衆賞)
フランセ:ファゴット協奏曲(Fg:鈴木一成 *木管部門第1位)
ロッシーニ:歌劇『セヴィリアの理髪師』より“私は街の何でも屋”
プッチーニ:歌劇『妖精ヴィッリ』より “馬鹿な、そんな事があっていいのか~わたしの娘の聖なる魂よ”
ジョルダーノ:歌劇『アンドレア・シェニエ』より“祖国の敵か”
(Br:清水 勇磨 *声楽部門第1位)

今日のコンサートは東京文化会館で午後2時から。
午後12時45分に家を出て、最寄りのJRの駅に到着。
そこで携帯を家に置き忘れたことに気づいた。
一気にモチベーションが低下。
結局、帰宅。
第13回東京音楽コンクール優勝者の皆さん、ごめんなさい。

インキネンのニューイヤー名曲コンサート2016年01月12日




2016年1月12日(火) 
ピエタリ・インキネン+プラハ交響楽団@武蔵野市民文化会館

スメタナ:交響詩「わが祖国」より「モルダウ」
シベリウス:交響詩「フィンランディア」
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」
ブラームス:「ハンガリー舞曲集」より第1番、第5番
ドヴォルザーク:「スラブ舞曲」第8番、第10番
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ドヴォルザーク:交響曲第6番
 ~ アンコール曲 ~
 J.シュトラウス:ラデツキー行進曲

インキネン氏と言えば、以前より日フィルの主席客演指揮者だし、今年の秋からは主席指揮者になる方。
まあ、おなじみの指揮者なので有り難みは薄いけど、好きな指揮者の一人であることは間違いない。
さらに、プラハ交響楽団の首席指揮者でもあるわけで、せっかくの来日となれば聴かないわけにはいかないよなぁ。

1曲目はスメタナ。
チェコのオケなのでスメタナが苦手なわけはなく、とてもナチュラルで心地良く、そして予想以上に丁寧な演奏。

シベリウスはインキネン氏と同じフィンランド出身。
氏の振るフィンランディアは何回か聴いたことがあるけど、これまた安心して聴けるいわば「鉄板」。

メインディッシュはドヴォルザークの6番。
いや~、こんなに良い曲だったとは知らなかった。
日本のオケは滅多に扱わないだろうこの曲、ん~、やっぱり本場のオケが弾くからなのかとても色彩豊か。

ここ、武蔵野市民文化会館の音響はかなりデッド。
楽器の一音一音がクリアに聞こえるのは良いことだけど、下手なオケだとあらが目立つのが難点。
でも、プラハ響の演奏は実に心地良い。
軽い気持ちで聴きに来たけど、恐れ入りました。
ありがとうございました。

ご結婚おめでとうございます2016年01月17日





2016年1月17日(日)
尾池亜美ニューイヤーコンサート@東京文化会館小ホール

尾池 亜美(Vn)
藤原 晶世(Vn)
安達 真理(Va)
内田 佳宏(Vc) 
山本 恵利花(Pf)

パガニーニ:ロッシーニの「タンクレディ」のアリア「こんなに胸騒ぎが」による序奏と変奏曲
タルティーニ:ヴァイオリンソナタ「 悪魔のトリル」
滝 廉太郎(イグデスマン編曲):荒城の月~キャッスル・ヴァリエーション
イグデスマン:Are You Crazy ? 
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クライスラー:中国の太鼓
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 第一楽章
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
 ~ アンコール曲 ~
 バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番よりLargo
 パガニーニ:無伴奏ヴァイオリンのための24の奇想曲より第24番


ご結婚おめでとうございます、尾池、いや伊藤亜美様。
今後の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

初っぱなのパガニーニ、実に華やか。
正にニューイヤーコンサート。
悪魔のトリルも聴いていて楽しいし、荒城の月ではヴィオラの安達さんが主役を喰うほどの大名演。
また、イグデスマンの編曲が素晴らしい。
安達さん、イグデスマン、名前を覚えておかないと…

ツィゴイネルワイゼンはヴィオラの内田さん、通称「ウッチー」の編曲。
これまた絶品。
ヴィオラやチェロがたんなる伴奏ではなく、時に主役級の大活躍。
すべての楽器が活躍する曲中盤の4度(間違っているかも。でも決して3度ではない。)の和音が幻想的でとてもチャーミング。
内田さん、凄いわ。

アンコール1曲目は内省的に、締めの2曲目は華やかに。
新年早々、良い思いをさせて頂きました。

6年ぶりのスクロヴァ翁のブル82016年01月23日




2016年1月23日(日)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ+読売日本交響楽団@東京オペラシティ

ブルックナー:交響曲第8番

スクロヴァ翁は1923年10月生まれの御年92歳。
前回、マエストロがブル8を読響で振ったのは2010年3月。
ブル8に限定しないと、読響を直近で振ったのは2014年10月。
(演目:ブルックナー交響曲第0番、ベートーヴェン交響曲第7番)

午後2時を過ぎ、ステージ下手からマエストロが登場。
前回2014年の時よりも歩みは更に遅く、背中もより丸くなっている。

ゆっくりと指揮台に上がり観客と正対。
すると、まるで演奏が終わった直後のような盛大な拍手。
会場のボルテージが一気に上昇した。

第一楽章が始まった。
指揮台の上に椅子は無い。
それどころか、マエストロの指揮は力強く、明快で迷いがない。
こんな指揮をされると、弾き手は気が抜けないだろうなぁ。

その弾き手はと言えば、弦と木管が特に素晴らしい。
音の一粒一粒が際だっているし、力強く重みがあるだけでなく、艶やかかつ華やか。
スクロヴァ翁のタクトがそうさせるのか、弾き手の気合いが普段と違うのか、はたまた聴いている席が良いのかは分からないけど、いずれにせよ背筋が伸びる思い。
ホルンに安定感がないのが玉にきず。

一昨日の芸劇でもそうだったらしいけれど、ここオペラシティでも第一楽章第二楽章間をアタッカで演奏。
しかし、楽章間の咳払いやその他の雑音の多いこと多いこと。
少しは指揮者の挙動を見て欲しいなぁ。

第二楽章も良かったけれど、やはり圧巻は第三楽章。
マエストロのブル8は平均と比べると若干早め。(特に第一楽章と第四楽章)
それは、2010年の演奏でも今回の演奏でも基本的には変わらない。
でも、この第三楽章ではヴァント翁や朝比奈翁の如く終始インテンポに徹し、まるでマエストロがこの曲を通して淡々と神と会話しているかのよう。
聴いているこちらは、ただただ頭を垂れるしかない。
仮に自分が92歳まで生き存えたとしても、この極みに達することはできないだろうなぁ。

最終楽章が始まってしまった。
嫌だ、もうすぐ終わってしまう。
いつまでも聴いていたいのに…

マエストロ、本当にありがとうございます。
クラシックが好きで、ブルックナーが好きで本当に良かった。
こんなに感動を覚えたのは久しぶりです。
近いうちに是非またお越しください。
そして、今度はブルックナーの9番を振ってください。
お願いします。


追記1:
フライング拍手と変なブラボーあり。
せかっくの名演にケチをつけた。
奴らは出禁だ。

追記2:
一昨日21日の芸劇での演奏はNHKで後日放映されるらしいけど、今日もマイクスタンドが立っていた。
おそらくCD化されるんだろうな。


梅田さん、宮田さん、そして日フィル2016年01月26日




2016年1月26日(火)
梅田 俊明+日本フィルハーモニー交響楽団@東京芸術劇場

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(Vc:宮田 大)
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チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
 ~ アンコール曲 ~
 チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ

派手さはないけれど、梅田さんの指揮は明快で良い。
宮田さんのチェロ、このところチョットお疲れ気味なのか音量が若干足りない気がする。

まぁ、それにしても日フィルの木管の凄いこと。
ファゴット、フルート、オーボエは言うに及ばず、悲愴でのクラリネットは正に絶品!
良くもまあ、あんなにデリケートで甘美な音色を出せるもんだなぁ。
もしかしたら、今まで聴いてきたクラリネットの中でベストかもしれない。

穏やかな死生観2016年01月30日





2016年1月30日(土)
山田 和樹+日本フィルハーモニー交響楽団@Bunkamuraオーチャードホール

武満 徹:系図
(ナレーター:上白石 萌歌)
(アコーディオン:大田 智美)
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マーラー:交響曲第4番(ソプラノ:小林 沙羅)

渋谷駅からオーチャードホールの途中にはトラップがある。
それは名曲喫茶「ライオン」。
14:20からマエストロのプレトークがあることは知ってはいたものの、誘惑に負けて寄り道。

その扉を開け一歩中に入るとバッハのピアノ協奏曲第一楽章が流れていた。
ピアノはグールド。
誘惑に負けて良かった!

座った席は2階中央。
相棒Season2第7話「消えた死体」で右京さんが座った所。
バッハの次はシューマンの交響曲第2番。
良い!

オーチャードホールには14:45に到着。
お客さん大入りだ。

前半は武満徹。
氏が谷川俊太郎の詩をもとに作曲したもの。
歌詞の中の登場人物は、おじいちゃんにはじまり、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんと続く。

約6m先にいる上白石さん、見た目は可愛らしいけど、その凜とした佇まいは正しくプロ。とても高校一年生とは思えない。
しかもセリフはすべて暗記。恐るべし。

マエストロも彼女の語りに寄り添い、日フィルをリード。
今日も日フィルは調子が良い。

大田智美さんのアコーディオンも、多くは語らないものの存在感が素晴らしい。
機会があったら彼女のリサイタルを聴いてみたいな。

後半はマーラーの4番。
マーラーの交響曲の中では比較的小ぶりなこの曲、さてマエストロはどう料理してくれるのでしょう。

結果は…

とんがった所がない穏やかなマーラーだった。
と言っても、淡泊で表情に乏しいわけではなく、バランスの妙とでも言うべきなのか、心洗われる一服の清涼剤のようなものだった。

小林沙羅さんの歌声も、たんに綺麗なだけでなく力強さを兼ね備えていて、聴いているこちらの腹に響く。
至近距離で聴いているせいもあるけど…

こうして、武満、マーラーを聴いてみると、ともに穏やかな死生観がその根底にあることに気づかされる。
と思えると言うことは、今の日本は平和なんだろうなぁ。

カウンター カウンター