穏やかな死生観2016年01月30日





2016年1月30日(土)
山田 和樹+日本フィルハーモニー交響楽団@Bunkamuraオーチャードホール

武満 徹:系図
(ナレーター:上白石 萌歌)
(アコーディオン:大田 智美)
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マーラー:交響曲第4番(ソプラノ:小林 沙羅)

渋谷駅からオーチャードホールの途中にはトラップがある。
それは名曲喫茶「ライオン」。
14:20からマエストロのプレトークがあることは知ってはいたものの、誘惑に負けて寄り道。

その扉を開け一歩中に入るとバッハのピアノ協奏曲第一楽章が流れていた。
ピアノはグールド。
誘惑に負けて良かった!

座った席は2階中央。
相棒Season2第7話「消えた死体」で右京さんが座った所。
バッハの次はシューマンの交響曲第2番。
良い!

オーチャードホールには14:45に到着。
お客さん大入りだ。

前半は武満徹。
氏が谷川俊太郎の詩をもとに作曲したもの。
歌詞の中の登場人物は、おじいちゃんにはじまり、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんと続く。

約6m先にいる上白石さん、見た目は可愛らしいけど、その凜とした佇まいは正しくプロ。とても高校一年生とは思えない。
しかもセリフはすべて暗記。恐るべし。

マエストロも彼女の語りに寄り添い、日フィルをリード。
今日も日フィルは調子が良い。

大田智美さんのアコーディオンも、多くは語らないものの存在感が素晴らしい。
機会があったら彼女のリサイタルを聴いてみたいな。

後半はマーラーの4番。
マーラーの交響曲の中では比較的小ぶりなこの曲、さてマエストロはどう料理してくれるのでしょう。

結果は…

とんがった所がない穏やかなマーラーだった。
と言っても、淡泊で表情に乏しいわけではなく、バランスの妙とでも言うべきなのか、心洗われる一服の清涼剤のようなものだった。

小林沙羅さんの歌声も、たんに綺麗なだけでなく力強さを兼ね備えていて、聴いているこちらの腹に響く。
至近距離で聴いているせいもあるけど…

こうして、武満、マーラーを聴いてみると、ともに穏やかな死生観がその根底にあることに気づかされる。
と思えると言うことは、今の日本は平和なんだろうなぁ。

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