ジークハルトのブルックナー4番 ― 2014年10月02日
2014年10月2日(木)
マルティン・ジークハルト+NHK交響楽団@NHKホール
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
(Pf:ユリアンナ・アヴデーエワ)
~ アンコール曲 ~
ショパン:4つのマズルカからⅡニ長調
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ブルックナー:交響曲第4番「ロマンチック」(ノヴァーク版)
いよいよ始まりましたNHK音楽祭。
今年のテーマは「管弦楽の黄金時代―後期ロマン派の壮大な調べ」。
良いですねぇ~
今日の前半はモーツァルトのピアノ協奏曲第21番。
アヴデーエワの演奏を初めて聴きましたが、なかなかの腕前。
軽やかに小気味良く、けれども決して薄っぺらでない格調高いモーツァルト。
こう言う演奏を聴かされると「やっぱりモーツァルトって良いなぁ~」と心から思います。
後半はメインディッシュのブルックナーの交響曲第4番「ロマンチック」。
CDではジークハルトの振るブルックナーを幾度となく聴いていますが、生音は初めて。期待が高まります。
第一楽章冒頭のホルンのソロ。
ん~、良い感じです!
現実の世界からブルックナーの世界に一気に引き込まれます。
ジークハルトの指揮を聴いていると、「一音一音を丁寧に演奏することを要求している」ことに気づきます。
演奏が先走ることは決してなく、演奏者各々がブルックナーと対話しているかのような、一種の厳かさを感じます。
弱音部では意識的に速度を落とし、より丁寧な演奏を要求しているようで、その結果、音圧が低くでも重厚さすら感じさせます。
金管が炸裂するパートに差し掛かる直前では意図的に音を絞り、そのコントラストでダイナミックさを演出する手法。
ベタな演出にも係わらず下品にならないのは流石です。
「N響の演奏には当たり外れがある」と思っていますが、どうやら今日は「当たり」です。
若干の綻びはあったものの、最初から最後まで精度の高い演奏を保ってくれました。
ただし、今日の席が2階席の後方だったことが原因か、はたまたNHKホールの音響の悪さが影響してか、若干低音部の響きがプアーに感じられたのが唯一の残念な点でした。
(追記)
右には演奏が始まっても財布の小銭をチャラチャラと数えるオヤジ、左には演奏中に居眠りして持っているペンを落とし耳障りな音をたてるオバサン。二度と演奏会に来ないで下さい。
(追記2)
場内アナウンスで事前に注意されているにも係わらず、演奏終了直後にタクトが降りる前にすぐ拍手する人。済みませんが余韻を楽しみたいでチョット待って貰えないでしょうか?

ボケの始まりか? ― 2014年10月05日
平成26年10月4日(土)
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ+東京交響楽団@サントリーホール
《オール・プロコフィエフ・プログラム》
交響曲 第1番「古典交響曲」
ヴァイオリン協奏曲 第2番
(Vn:マイケル・バレンボイム)
~ アンコール曲 ~
クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース
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バレエ音楽「ロミオとジュリエット」 抜粋
平成26年10月5日(日)
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ+東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニー
ホール
《オール・プロコフィエフ・プログラム》
交響曲 第1番「古典交響曲」
ヴァイオリン協奏曲 第2番
(Vn:マイケル・バレンボイム)
~ アンコール曲 ~
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータよりソナタ第
3番3楽章ラルゴ
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バレエ音楽「ロミオとジュリエット」 抜粋
プロコフィエフ、その作品の中でも特に「古典交響曲」と「ヴァイオリン協奏曲第2番」と「ピアノ協奏曲第3番」が好き。
なので、このうち2曲も演目に入ったコンサートとなれば、行かないわけにはいかないのだ…
それにしても、我ながら情けない。
このコンサートのチケットも4枚も買っていたとは!
ある時は「東響チケットセンター」で、ある時は「イープラス」で、ある時は「チケットぴあ」で…
ひょっとしてボケの始まりか?
このうち2枚はヤフオクでさばけたので一安心。残りは2枚。
2回聴くのも「乙」だし、ミューザ川崎には久しく行っていないしと言うことで土日連チャンに決定。
平成26年10月4日(土)
まずはサントリーホール。
いきなり驚かされたのはサントゥ君の髪型。
ネットに掲載されている写真よりも遙かにバージョンアップされていて、まるで天然パーマのライオンのよう。
また、まだ30歳前の若さもあってその指揮は元気が良い!
良く言えば華麗で躍動的、悪く言えば「タコ踊り」の様なアクションに会場から笑いが…
最初は「古典交響曲」。
サントゥ君の派手なアクションとは違って、解釈は結構大人しめ。
欲を言えば、弱音部にもう少し表情があると嬉しいかな?
それにしても、この「古典交響曲」。たった15分程度なのにちゃんと交響曲している。
プロコフィエフのセンスの良さを感じずにはいられない。
お次は「ヴァイオリン協奏曲第2番」。
いよいよマイケル君の登場。
お~、顔つきといい体型といい、親父さんにそっくり!
何となく期待が持てるなぁ。
マイケル君の演奏。
派手なパフォーマンスは一切無いけど、テクニックは相当なもの!
淡々としているけど、悪くない。
だけど、ちょっとパワーが不足している気がする。
リサイタルだったら問題ないけど、協奏曲だとオケに負け気味ですよ。
そして、アンコールはクライスラーの「レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース」。
初めて聴かせてもらったけど、良い曲だなぁ~
マイケル君の演奏もソロだと良く響いてきて良い感じ!
なかなか聴かせるじゃないですか。
後半は「ロミオとジュリエット」。
滅多に聴く機会が無いので有り難く拝聴。
パンフによると、あのミンシュが抜粋版を録音した時と全く同じ選曲だとのこと。
「先人に習う謙虚な姿勢」なのか「単なる物真似」なのかはプロの評論家にお任せすることにして、なかなか聴かせるなぁ。
曲の最後が静かに終わり無音状態がしばらく続き、マイケル君は指揮棒を譜面台に「カタン」と置くと盛大な拍手!
サントゥ君、なかなかやるなぁ。
(追記)
隣の50代と思しきカップル。
そのオヤジがやたらお喋り。
演奏前ならまだしも、演奏中に何回も奥さんに話しかけている。
余りに酷いので注意したら、後半からいなくなった。
会場内を良く見回すと、チャッカリ正面席の端っこに座ってた。
厚顔無恥も甚だしい。
平成26年10月5日(日)
台風が近づいているせいか酷い雨。
川崎は遠いし、P席だから行くの止めようかと一瞬迷ったものの、結局行くことに。
ただし、車で。
環八を南下。
意外と順調に世田谷区を通過し大田区へ。
田園調布を通過し、矢口右折し第二京浜を南下。
まだまだ順調!
都町で左折し、南幸町二丁目を左折すればもうすぐミューザ川崎。
と、南幸町四丁目の信号で全く動かなくなってしまった。
あと200m。歩いても2分ちょっと。
10分経過しても15mしか前進しない。チョットまずそう。
大宮町の信号で右折し、狭い道に入る。
二つ目を左折し次の信号で左折するとミューザ川崎だ。
と、ここで第六感が働いて信号を右折。
曲がってすぐに民間の駐車場を発見!
やれやれ何とか間に合った。
後で調べてみたら、さっきの信号を左折したら確かにミューザ川崎の駐車場なんだけど、右折入庫できないように車線規制がされていた。
たまには勘が冴える時もあるじゃないの。
今日の「古典交響曲」。昨日よりも魅力的。
どうしてなんだろう?
演奏が変わった?ホールのせい?
明らかに昨日より表情が豊か。
聴いてきてどんどん楽しい気分になってくる。
あ~幸せ!
お次の「ヴァイオリン協奏曲第2番」。
マイケル君の演奏は昨日と変わらないように見えるけど、やっぱり昨日より魅力的。
ん~、何だろう?
彼との距離は昨日と変わらないけれど…
今日のアンコールはバッハ。
マイケル君、なかなか多彩ですねぇ~
毎回思うけど、協奏曲を聴く場合はやっぱりP席はチョット辛い。
2回聴くのを1回にまとめれば、C席は確保できたと思うと…
後半の「ロミオとジュリエット」は都合により聴かずミューザ川崎を後に。
久しぶりのミューザ川崎、なかなか良かったなぁ~
(追記)
どうもこのごろ運が悪い。
今日は前の席に座っている「30代前半夫婦+女の子」の奥さんにやられた。
演奏中にやたら女の子に話しかけている。
女の子はじっとしていられるのに、大人のあなたができなくてどうするの?
今日は注意する気力もなく、ひたすら我慢…

川崎大師閑散 ― 2014年10月05日
東響の演奏を途中まで聴いてミューザ川崎を後にしたのには訳がある。
この前の同期会で感化されて始めた「御朱印」集め。
と言ってもまだ伊勢神宮の外宮と内宮のものしかないけど…
で、やってきました川崎大師。
いや~ぁ、日曜日の午後3時半だと言うのに参道に人の姿がない!
確かにこの天気じゃねぇ~
そんな客入りからか、お店のシャッターもほとんど閉まっている。
なんだかゴーストタウンみたいで物悲しい。
気を取り直して結構な雨の中、車を降りる。
境内に一歩足を踏み入れると…やっぱり人がいない。
お護摩受付所に係の人がいたので、御朱印を頂ける窓口を尋ねる。
係の人から「けだるい」オーラが漂ってくる。
暇過ぎてお疲れみたい。
何のことはない、同じ建物で90度の位置に窓口があった。
さっきと違う係の人にお願いすると、5分でできるから番号札を持って待つように言われた。
この人はさっきと違いシャキッとしている。
この時間を利用して大本堂へお参りに。
と、お一人だけ先客がいらっしゃいました。
何だか人の姿を見るとホッとするなぁ~
本当は隣の中書院や不動堂にも行きたいところだけど足もとが悪い。
今回は省略することにして、先程の窓口へ。
300円をお支払いして御朱印帳を返して頂く。
いや~、なかなか見事な御朱印だなぁ~
伊勢神宮のとはえらい違い。何だか得した気分。
さあ、明日は四半期ごとにやってくる忙しい日パート1。
そろそろ家に帰ることにしましょう。
(追記)
太田総合病院の千葉伸太郎先生。
いつぞやはお世話になりました。
また具合が悪くなったら宜しくお願いします。
スクロヴァチェフスキ最高! ― 2014年10月09日
平成26年10月9日(木)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ+読売日本交響楽団@サントリーホール
ブルックナー:交響曲第0番
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ベートーヴェン:交響曲第7番
スクロヴァチェフスキ翁、何と御年91歳!
若干足下がおぼつかないことと、背中が丸くなってはいるものの、いやはやお元気。
さらに、2曲とも暗譜。
恐れ入ります。
前半はブル0。
当初はブルックナーがこの曲に「2番」と冠しようとしたものの、酷評を受けて自信をなくし、「無効と言う意味で0番」としたとかしないとか…
でも、スコアを破棄しなかったってことは、やっぱり棄てがたかったんだろうなぁ~
ブルックナー交響曲全集を収録している指揮者は数多くいるけど、この0番と00番を対象外としている指揮者と収録する指揮者に分けられる。
スクロヴァ翁は後者。
作曲家の意志を尊重するなら、収録するべきなんだろうなぁ~
まあ、それにしてもお世辞にも名曲とは言えないこの凡庸な曲に、これだけ多彩な表情を与えられるスクロヴァ翁に脱帽です。
きっとブルックナーも天国で喜んでいることでしょう。
後半はベト7。
直近で聴いた生演奏は去年3月のハイティンク+LSO。
そう言えば、ご存命な指揮者でブルックナーがお上手な人といったら、この2人の右に出る人はいないんじゃないかな?
あっ、話がそれた。
スクロヴァ翁の振るベト7は予想より角が取れた優しいベト7だった。
流石に91歳だから、当然と言えば当然か…
楽章間に休みを入れず、終楽章まで一気に演奏。
小気味は良いけれど、決して軽薄な音じゃない。
それにしてもスクロヴァ翁、元気が良いなぁ~
読響も「心に秘めたる熱演」でスクロヴァ翁をサポート。
所々で音に綻びがあったり、テンポが乱れたりはあったものの、良い音出してます。
終演後の割れんばかりの拍手、そしてオケが退いた後の一般参賀。
最後までお元気なスクロヴァ翁だった。
ありがとうございました!
(追記)
今回、生まれて初めて「ヴァイオリンのバケツリレー」を目の当たりにすることができた。
ラッキー!
五嶋みどり 協奏曲の夕べ ― 2014年10月10日
平成26年10月10日(金)
サントリーホール スペシャルステージ2014 五嶋みどり 協奏曲の夕べ
ヘルマン・ボイマー+新日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール
バッハ:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052R(チェンバロ協奏曲 BWV1052からの復元)
シュニトケ:ヴァイオリンと室内オーケストラのためのソナタ(1968)
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ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調BWV1042
最初のBWV1052。
個人的にはチェンバロよりもピアノで聴く機会が多い。
生演奏では、2009年NHK音楽祭でシャイーが振るゲヴァントハウスをバックに、当時16歳のキット・アームストロングが奏でるバッハに鳥肌がたったことを覚えている。
今度来日するんだよな~ぁ、彼。
さて、今回はヴァイオリン。
鍵盤楽器の場合はソロが際立つけど、ヴァイオリンだとむしろ溶け込んで一体となる感じ。
なるほど、これもありだなぁ~
五嶋みどり奏でるバッハは、時に雄弁に、時に密やかに、時に重厚に、時に軽快に…
今回は間近の席だったので、その微妙なコントラストが堪能できて大満足。
お次はシュニトケ。
バッハとのギャップに最初は戸惑う。
でも、彼女の演奏を聴くに連れ、その違和感は霧散。
これって、彼女の演奏だけじゃなく、ボイマーのタクトや新日本フィルの演奏も称えるべきなんだろうなぁ。
後半の最初はベルク。
この曲、ベルクの最も有名な曲らしいけど、CDも含め聴くのは初めて。
いや~、ベルク様、大変失礼しました。良い曲ですねぇ。
すっかり引き込まれてしまいました。
「ある天使の思い出に」と言う副題の意味は今のところ理解できていませんが…
最後はバッハのヴァイオリン協奏曲第2番。
何も言うことはありません。
名曲を名手が奏でれば結果は良いに決まっています。
幸せなひとときをありがとうございました。
堤剛バッハ無伴奏チェロ組曲 全曲演奏会 ― 2014年10月12日
平成26年10月12日(火)
堤剛バッハ無伴奏チェロ組曲 全曲演奏会@サントリーホール
第1番 ト長調 BWV1007
第5番 ハ短調 BWV1011
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第2番 ニ短調 BWV1008
第6番 ニ長調 BWV1012
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第4番 変ホ長調 BWV1010
第3番 ハ長調 BWV1009
今日10月12日はサントリーホールの開館記念日。
1986年開館だから、もう28年にもなるのか…
その記念すべき日に、サントリーホールの館長でもある堤剛氏がバッハの無伴奏を全曲演奏。
同所において、一回の公演で全曲演奏されるのは今回が初とのこと。
記念すべき貴重な演奏に立ち会えて幸せです。
今回は、その演奏を全身で感じたかったため、中央最前列に陣取って鑑賞。
氏の息づかいまではっきり聞こえます。
結果は…
予想に違わず見事な演奏でした。
午後2時に始めて、終演は午後5時15分。
バッハの世界に浸る濃密な時間を過ごし、些か疲れました。
いやいや、演奏している方はその何倍もお疲れのはず、良い演奏をありがとうございました。
(追記)
第6番のガヴォットが終わった時点で、まだ最後のジーグがあるのに拍手が…
まあ、堤さんのアクションも誤解を誘発する感じではありましたが…
(追記2)
そんなアクシデントはあったけど、6番は良かったなぁ~
あと、3番も。
しばらく、頭の中はバッハのメロディーがグルグルしています。
ゲルギエフ、マリインスキー、そしてやっぱりフレイレ! ― 2014年10月14日
2014年10月14日(火)
ワレリー・ゲルギエフ+マリインスキー歌劇場管弦楽団@サントリーホール
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
(Pf:ネルソン・フレイレ)
~ アンコール曲 ~
グルック/ズガン・バーティー編:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」から「精霊の踊り」
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ショスタコーヴィチ:交響曲第8番
~ アンコール曲 ~
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」から第一幕への前奏曲
台風一過で日中は日差しもあって気持ち良かったけど、午後になるとだんだん吹き返しの風が強くなってきた。
そんな中、いつもの如くサントリーホール前のオーバカナル赤坂の屋外席でビールを頂戴していると、薄闇に家族連れが…
良く見ると、細川元首相とそのご家族。
何やら一言二言会話をしながら、店内に入っていく。
へ~、有名人もこう言う所に来るんだなぁ~
何を注文するんだろう?
時刻は18:45。
そろそろ、席を立ってサントリーホールへ行かないと…
一歩ホールに入ると、いつもよりもパリッとした身なりの人が多い。
年齢層も若干上。
さすが、ゲルギエフ人気。
と、思っていたら、正装したカップルが足早に入ってきた。
なんと、その正体は葉加瀬太郎と高嶋ちさ子。
へ~、仲が良いとは知りませんでした。
前半はブラームスのピアノ協奏曲第2番。
ブラームスの交響曲で好きなのは何番ですか?
そうきかれて「ピアノ協奏曲第2番です」と応えたのはあの名指揮者ジョージ・セル。
この曲はそれぐらい骨太の重量級のコンチェルト。
後半がタコ8なので、焼肉定食を2回続けて食べる感じ。
心してかからないと…
で、結果はと言うと、「兎にも角にも、フレイレが神!」。
一本筋の通った気品ある演奏。
そこには、情感があり、色艶があり、景色がある。
どうも、今日のマリインスキー歌劇場管弦楽団の面々、第一楽章は特に「暖まっていない」感じ。
ゲルギエフの指揮にも100%のレスポンスではないように見受けられる。
それに比べてフレイレ。
決してハイテンションではなく、むしろ冷めたような演奏ではあるものの、その指から奏でられる一音一音はまさに宝石のよう。
オケの面々やゲルギエフは、フレイレに感謝しないといけませんねぇ~
後半はショスタコーヴィチの交響曲第8番。
一般受けを狙うなら5番を持ってくるところ、この8番。
何やらゲルギエフの気合いを感じます。
今回、前もって聴いてきたCDは1994年録音のゲルギエフ+マリインスキー(当時はキーロフ)。
それに比べると明らかに角が取れている!
ゲルギエフの指揮は良くも悪くも、ゲルギエフ節が要所要所で炸裂するけど、今回の演奏はそれが全くと言って良いほど影を潜めている。
洗練され、浄化され、この曲の持つ本来のメッセージがより強く伝わってくる。
ゲルギエフ臭さが薄まっているのはチョット残念な気もするけど、こう言うのを円熟って言うんだろうなぁ~
オケも前半の出だしとは違って情感豊かにゲルギエフに追従。
骨太で厚みのあるサウンドは、サンクトペテルブルグとはまたちょっと違ったとても魅力的なもの。
最初は日本のオケの方が上手いんじゃないかと思っていたけど、失礼致しました。
ゲルギエフのタクトが止まり、約30秒の無音の世界。
そして、ブラボーの嵐と割れんばかりの拍手。
久しぶりに良いショスタコーヴィチを聴かせて頂きました。
ゲルギエフが舞台の袖に退いても当然拍手は鳴り止まず…
だけど、足早に客席を立ち、出口に向かう集団が…
と、なんと、小泉元首相と細川元首相じゃないですか!
この二人、仲が良いんですね、プライベートでも。
アンコールはワーグナーのローエングリン第一幕への前奏曲。
涙が出るほど美しく哀しく心震えるワーグナー。
こんな完璧なワーグナー、聴いたことがない!
終演はほぼ22時。
10/8からの日本遠征で皆さんお疲れのはずなのに、こんなにすばらしい演奏をして頂き感謝に堪えません。
本当にありがとうございました。
ヴロンスキーって良い指揮者だなぁ~ ― 2014年10月17日
2014年10月17日(金)
ペトル・ヴロンスキー+読売日本交響楽団@サントリーホール
スーク:弦楽のためのセレナード
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マーラー:交響曲第1番「巨人」
ヴロンスキーの指揮はとても分かりやすい。
指示が明確だし、無駄な動きがないし、ツボを心得ている。
この前聴いたゲルギエフの指揮は、油断すると迷子になりそうだったけど、ヴロンスキーの場合はそんなことは起こり得ない…と思う。
一方、読響。
いつもに比べると(微細なレベルではあるけれども)本調子ではなかったように思える。
金管は安定感が若干悪く、弦の正確性もいつもより微妙に劣っていたように感じられた。
結果、ヴロンスキーが欲しがっている音が100%引き出されていないように見受けられたけど、他の聴衆の皆さんはどうだったんだろう?

一周忌に先がけて ― 2014年10月26日
メータとイスラエル・フィルのコンビは神! ― 2014年10月29日
平成26年10月29日(水)
ズービン・メータ+イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団@NHKホール
シューベルト:交響曲第6番
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マーラー:交響曲第5番
~ アンコール曲 ~
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
前半はシューベルトの6番。
5番は好んで聴くけどこの6番は滅多に聴かない。
もしかしたら、全曲通して聴いたのはCDを含め今回が初めてかも…
ん~、こんな曲なんだ。綺麗で軽やかで心地良いけど、ただそれだけって感じ。
聴き込んでいないから的外れな感想かも知れないけど…
メータがこれを選曲した理由は何だろう?
後半はマーラーの5番。
今まで幾度となく聴いてきた曲だけど、メータとイスラエル・フィルのコンビは神!
「脚色と言う概念が全く無いのか」と問いかけたいほど、淡々としたメータのタクト。
イスラエル・フィルのメンバーも、ほとんどメータの方を見ない。(特にコンマス)
でも、彼らが奏でるマーラーは今まで聴いてきたマーラー全てを凌駕するほど。
ん~、これは指揮者とオケが一体となった名人芸とでも言うのだろうか?
マーラーが喜んでお墓から出てきそう。
それにしても、イスラエル・フィルはレベルが高い!
金管、木管、打楽器、弦楽器、その全てが素晴らしい。
その中でも弦楽器、さらにその中でもチェロと2ndヴァイオリン。
あ~ぁ、恍惚の境地に誘ってくださってありがとうございました。
追い打ちはアンコールのカヴァレリア・ルスティカーナ。
く~ぅ、全身鳥肌。泣ける~
イスラエル・フィルの弦は本当に美しい!
(追記)
前回、ジークハルトの時はまだだったけど、今日の代々木公園の銀杏は臭かった。
もうすっかり秋だなぁ~
(追記2)
代々木公園のデング対策はまだ継続中。
歩道が狭くて歩きにくいなぁ~
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