ハーディングのマーラー8番 ― 2016年07月01日
2016年7月1日(金)
ダニエル・ハーディング+新日本フィルハーモニー交響楽団@すみだトリフォニーホール
罪深き女:エミリー・マギー
懺悔する女:ユリアーネ・バンゼ
栄光の聖母:市原 愛
サマリアの女:加納 悦子
エジプトのマリア:ゲルヒルト・ロンベルガー
マリア崇敬の博士:サイモン・オニール
法悦の教父:マイケル・ナギー
瞑想する教父:シェン・ヤン
合唱:栗友会合唱団
合唱指揮:栗山 文昭
児童合唱:東京少年少女合唱隊
児童合唱指揮:長谷川 久恵
マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」
聴き終えてみての感想は、
マーラーは偉大なり。
オケメンは偉大なり。
独唱者は偉大なり。
合唱団は偉大なり。
そして、指揮者は偉大なり。
この、謂わばオペラのような大作をマーラーはよくぞ作ってくれました。
NJPの皆さん、よくぞ弾ききってくださいました。
栗友会合唱団の皆さん、東京少年少女合唱隊の皆さん、人の声って素晴らしいですね。
そして、マエストロ・ハーディング。
長い間お疲れ様でした。
約5年前からウオッチさせて頂きましたが、あなたは本当に素晴らしい指揮者です。
今後の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
イーモリ公のブルックナー第9番 ― 2016年07月05日
2016年7月5日(火)
飯守泰次郎+東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団@東京オペラシティ
ソプラノ:安井 陽子
メゾ・ソプラノ:増田 弥生
テノール:福井 敬
バス:清水 那由太
合唱:東京シティ・フィル・コーア
合唱指揮:藤丸崇浩
ブルックナー:テ・デウム(ノヴァーク版)
ブルックナー:交響曲第9番(ノヴァーク版)
東京シティ・フィルのツイートを見て一安心。
テ・デウムの後に9番が演奏されるとのこと。
そのテ・デウム。
生で聴くのは今回が初めて。
「後期ロマン派の作曲家が書いた宗教曲の最高峰」とも言われているらしいけれど、そこまで良い曲かなぁと言うのが正直なところ。
しかし、実際に生で聴いてみると確かに凄い。
テノールの福井さんをはじめとする独唱者達、そして東京シティ・フィル・コーアの皆さんの歌声が力強くそして心地良い。
流石ブルックナー、宗教曲もお手のもの。
今更ながら尊敬の念を禁じ得ない。
そして、交響曲第9番。
結果は...
言葉が見つからないほど素晴らしい演奏だった。
とてもコメントできない。
冥土の土産が一つ増えた。
コバケンのエロイカ ― 2016年07月13日
2016年7月13日(水)
小林研一郎+日本フィルハーモニー交響楽団@杉並公会堂
ベートーヴェン:三重協奏曲
ヴァイオリン:木野 雅之(日本フィル・ソロ・コンサートマスター)
チェロ:菊地 知也(日本フィル・ソロ・チェロ)
ピアノ:小林 亜矢乃
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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
今日は地元の公会堂での日フィル公演。
帰りが楽で助かります。
前半はベートーヴェンのトリプル•コンチェルト。
生で聴くのは今回が初めて。
今日の席は中央最前列。
目と鼻の先にピアノの小林さん。
その左にチェロの菊地さん、そのすぐ左がヴァイオリンの木野さん。
三人の距離、結構近いな。
演奏が始まった。
ん〜、音が大きい、いや、大き過ぎる。
とはいえ、弱音部の微妙なニュアンスが良く分かるから文句を言ったらバチが当たるなぁ。
ソリストでは何と言ってもチェロの菊地さん。
サラッと弾いているけど、相当難易度が高そうなことは素人でも分かる。
それに比べると、特にピアノは楽そうだな。
3人のソリストもオケも掛け値なしにお上手だけど、この曲自体、ベートーヴェンの作品の中での相対評価はどうなのかな?
名曲とは言い難いと思ったのは自分だけだろうか?
後半のエロイカ。
いやぁ〜、木管も金管も弦も良い味出してるぞ。
でも、今日の席は最前列なので奏者の顔が全然見えない...
まあ、それにしても、この推進力や適度な緊迫感、さすがコバケン先生だ。
こんなに聴き馴染んだ曲なのに、ハッとさせられることが何回もあった。
更に、演奏が終わってから暫く経ってからじんわり来た。
ん〜、恐れ入りました。
また、機会を作って聴かせて頂きます。
コルネリウス・マイスターのマーラー交響曲第6番 ― 2016年07月14日
2016年7月14日(木)
コルネリウス・マイスター+読売日本交響楽団@サントリーホール
ハイドン:交響曲第6番 「朝」
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マーラー:交響曲第6番 「悲劇的」
前半はハイドンの交響曲第6番 「朝」。
明晰で軽快なタクト。
気持ち良い!
4年前にウィーン放送交響楽団を振った時とは大違い。
後半はメインディッシュのマーラー6番。
ん〜、はっきり言って退屈なタクトだ。
マーラーの狂気と言うのか、絶望感と言うのか、厭世観と言うのか、破綻ギリギリまで聴き手を追い込んでくるパワーが今一つのような気がする。
読響が調子良いだけにもったいないなぁ。
追記:
ハイドンの時から気になっていた女性チェリスト。
お上手だなと思っていたら、やっぱり遠藤真理さんだったんだ。
ん~、華があるなぁ。
高関健のショスタコーヴィチ ― 2016年07月16日
2016年7月16日(土)
高関 健+東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団@ティアラこうとう
ショスタコーヴィチ:タヒチ・トロット(二人でお茶を)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(Pf:仲道 郁代)
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ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
~ アンコール曲 ~
ショスタコーヴィチ:タヒチ・トロット(二人でお茶を)
最初の曲はショスタコーヴィチ編曲のタヒチ•トロット。
と言うか、二人でお茶を。
この曲がショスタコーヴィチが編曲したものとは全く知らなかった。
オリジナルではないのに、何と作品番号まで付いている。
ありなんだ。
それにしても、センスが良いアレンジだなぁ。
とてもたった45分で編曲したとは思えない。
ショスタコーヴィチ、恐るべし。
お次は、仲道さんのチャイコン。
ピアノはYAMAHA。
ん?
サントリーホールの所有、それとも持ち込み?
仲道さん、見かけによらず骨太で力強い演奏だ。
と思えば、謳うように流れるようになったり、暗く重苦しくなったり、正に変幻自在。
気持ちよいチャイコフスキーをありがとうございました。
後半はショスタコーヴィチの交響曲第5番。
プレトークでマエストロ・高関は、1973年のムラヴィンスキーの初来日公演、そして1979年のバーンスタインの来日公演を聴きに行ったエピソードを披露。
もちろん、その時の曲はタコ5。
だから、タコ5を指揮をする際、どうしてもムラヴィンスキーとバーンスタインのスタイルを意識せざるを得ないとのこと。
なるほど、思い入れの深い曲なんだなぁ。
となると、演奏結果は当然◎。
正に、奏者一人一人が正確に丁寧な演奏を心掛け、指揮者が音色や音量のバランスを絶妙に調整することが結果として素晴らしい演奏になった好例。
ケチの付け所など全くなし。
と言うより、マエストロ・高関の演奏を何回か聴いてきて、今まで不満に思ったことは皆無。
これって、相当凄いことではないだろうか?
ジョナサン・ノットのブルックナー交響曲第8番 ― 2016年07月16日
2016年7月16日(土)
ジョナサン・ノット+東京交響楽団@サントリーホール
ブルックナー:交響曲第8番(ノヴァーク版第2稿)
総括1:
大名演だった。
新しいブルックナー像を垣間見た気にさせてくれたノットに大感謝。
総括2:
演奏に全くキズが無かった訳ではないが、高密度で上質な演奏だった。
特に、コントラバス、2ndヴァイオリンがこの曲の全体像を明確にしてくれた。
まさに縁の下の力持ち。
第1楽章:
若干、暖まっていない感あり。
そして、若干拙速。
第2楽章:
若干冗長。
前半のホルン、ボリューム過多だった模様。(←ノットの表情より)
第3楽章:
鳥肌もの。
これだけしっとりと聴かせてくれるとは想定外。
ノットは年齢の割に老獪なり。
第4楽章:
怒涛のエンディング。
文句なし。
追記1:
とんでもないフラブラあり。
このことを早く忘れたい。
追記2:
第3楽章だけでもハース版であって欲しかった…
アルミンクのブルックナー交響曲第8番 ― 2016年07月24日
2016年7月24日(日)
クリスティアン・アルミンク+群馬交響楽団@太田市新田文化会館・エアリスホール
ブルックナー: 交響曲第8番(ハース版)
大好きなブルックナーの8番、それもハース版!
指揮はアルミンク!
行くしかない!
と言うことで自宅から関越道経由で太田市にあるエアリスホールへ。
約2時間でエアリスホールに到着。暑い!
あちらこちらにスマホをいじくっている人々がいる。
皆さん、ポケモンGOに興じている模様。
定刻になり、オケのメンバーがステージ上に集まり始めた。
しかし、どう言う訳が客席の雑音が収まらない。
左のおばさん二人組はおしゃべりを止めないし、右の老夫婦もまた然り。
長身のアルミンクが下手から登場。
久しぶりにその姿を見たような気がしたけれど、そう言えば去年の10月に名古屋で聴いたことを思い出した。
失礼しました。
アルミンクのタクトは終始徹底してインテンポ。
下手な指揮者がこれをやると、無味乾燥なものになってしまうけれど、上手な指揮者がやると、ボディーブローのように徐々に心に染み入ってくる演奏になる。
アルミンクは正に後者。
第1楽章は急がず、第2楽章も淡々と、そして第3楽章は美しく悲しく、そして深く。
最終楽章も重く堂々と、そして希望に満ちたタクトだった。
先週のノットのタクトが新時代のブルックナーだとしたら、アルミンクのタクトは伝統のタクト。
オケの出来は別にして、好みからすると今回のアルミンクに座布団2枚!
マエストロ・アルミンク、どこかの在京オケの音楽監督または常任指揮者になってくれないかなぁ。
追記:
「上から目線」だけれども、明らかに客層の「民度」が低かった。
演奏中に携帯の着信音が鳴るは、エンディング10分前に携帯を取り出してメールチェックするは、何でもあり。
もしかすると、彼らは招待客?
アラン・ギルバートのマーラー交響曲第5番 ― 2016年07月25日
2016年7月25日(月)
アラン・ギルバート+東京都交響楽団@サントリーホール
モーツァルト:交響曲第25番
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マーラー:交響曲第5番
前半はモーツァルトの交響曲第25番。
クリアで躍動感がありダイナミックレンジの広いモーツァルト。
爽快、かつ「あっという間」に終わってしまった。
こりゃ、後半も期待大だ。
そして、後半はマーラーの交響曲第5番。
まるで自分のオケかのような見事な棒さばき。
都響も最後までそのタクトに食らいついた。
素晴らしい演奏だった。
残念だったのは、咳・くしゃみ。
自然現象だから仕方ないとはいえ、最弱音部でこれをやられると流石に辛い。
ホント、絶妙なタイミングだった。悪い意味で…
トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア ― 2016年07月30日
2016年7月30日(土)
沼尻 竜典+トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア@三鷹市芸術文化センター 風のホール
ブラームス:悲劇的序曲
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
(Vn:小林美樹、Vc:ヘーデンボルク・直樹)
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ブラームス:交響曲第2番
梅雨明けした東京の炎天下を我が家から自転車を漕ぐこと約35分。
汗だくになってようやく風のホールに到着。
電車とバスを乗り継いで来れば良かった。
因みに、ここ風のホールから程近い「禅林寺」には森鴎外のお墓があり、その向かいには鴎外を尊敬していた太宰治のお墓がある。
もう少し涼しければお参りに立ち寄るところだけれど、今日はそんな元気はない。
今日はオール・ブラームス・プログラム。
最初の悲劇的序曲も良かったけれど、ダブル・コンチェルトは更に良かった。
ソリスト2人の駆け引き、ソリスト達とオケのやり取り、曲全体の調和と進行、その全てがほぼパーフェクト。
この前聴いたレーピン、マイスキー、日フィルを凌駕している。
小林美樹さんは知っていたけれど、チェロのヘーデンボルク直樹さんは知らなかった。
ウィーン・フィルでご活躍中なんだ。
後半は、交響曲第2番。
細部まで神経が行き届いている心地良い演奏。
さすがマエストロ沼尻、さすがトウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア。
あっという間に終わってしまってチョット物足りない。
今度は4番あたりを聴いてみたいな。
追記:
帰りに久しぶりに武蔵野市民文化会館の前を通ったら、フェンスが張り巡らされていた。
予定どおり改修工事が終わりますように!
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