ティーレマンのブルックナー9番2015年02月24日

2015年2月24日(火)

クリスティアン・ティーレマン+ドレスデン国立歌劇場管弦楽団@サントリーホール

R.シュトラウス:メタモルフォーゼン(変容) - 23の独奏弦楽器のための習作
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ブルックナー:交響曲第9番


今日の演目は一昨日の「みなとみらい」のものと全く同じ。
試しに「ティーレマン」と言うキーワードでtwitterを検索してみると、悪い評価もチラホラ。
定時に仕事を終え、若干の不安を抱きつつサントリーホールへ。

前半はメタモルフォーゼン。
第二次世界大戦終戦の年1945年、シュトラウス81歳の時の作品。
実際のところ彼が何を思ってこの曲を作ったのかは想像の域を出ないけど、ハッピーな曲ではないことは確か。

ティーレマンは暗譜、SKDの精鋭たちも余裕をもっての演奏。
これは後半のブル9に期待が持てます。

約30分の演奏が終わり、数秒間の静寂の後の拍手、そして歓声。
この曲に「ブラボー」は相応しくない気がするけど…
まあ、いいか。


後半はメインディッシュのブルックナーの9番。
ブルックナーの最後の、そして未完のこの曲、彼の11曲ある交響曲の中でも一二を争う「魂を揺さぶる名曲」。
果たしてティーレマンはどう料理してくれるのでしょう。

第一楽章冒頭を聴いただけで、不思議な安心感に包まれ何とも心地良い。
そう、基本はインテンポで一音一音端折ることなく丁寧に。
軽快感はないけれど、その重厚感は正にドイツのサウンド。
第一楽章後半ではオケの集中度も極限にまで達し、文字通り「神がかり」的。

第二楽章後半では、オケの面々も緊張が解れたのかちょっと中弛み。
SKDと言えども「人の子」か…と妙な安心。

最終楽章冒頭は第二楽章の弛緩から一気に高密度な世界へ。
今までどちらかと言うと控えめだったアゴーギクも、ここでは全開。
それが災いしてか、金管群のテンポに若干の乱れが発生。

最終楽章終盤では、通常より長めのゲネラルパウゼで聴き手の緊張感も最大へ。
こう言う「ベタ」な演出、嫌いじゃないなぁ、いや、好きだなぁ~
時代遅れかも知れないけど…

ティーレマンのタクトが止まり、十数秒間の無音の世界。そして割れんばかりの拍手。
いやはや、満腹とまでは行かないけれど、良い演奏でした。
チケットが高いのが「玉に瑕」だったけど…

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一昨年のハイティンク、未だこれを超えるもの無し。

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