グスターボ・ドゥダメル、若いのになかなかの実力者だ。2015年03月28日





2015年3月28日(土)
グスターボ・ドゥダメル+ロサンゼルス・フィルハーモニック@サントリーホール

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」


去年9月のウィーン・フィルとの来日から半年。
今回は手兵ロサンジェルス・フィルハーモニックを引き連れてドゥダメルがやって来た。

演目はマーラーの交響曲第6番。
並の指揮者でも何とかなりそうな他のマーラーの交響曲と違い、この6番や7番は指揮者にとって難物の一つではないだろうか。
ダニエル・ハーディング以来、若くしてマーラーを上手く振る指揮者を見掛けていないけど、ドゥダメルはどうなんだろう。

演奏が始まった。
まず驚かされたのはロサンジェルス・フィルの弦。
金管が素晴らしいことは予想していたものの、弦は予想を遙かに越えていた。
特に、チェロやコントラバスのふくよかな響きは特筆に値すると思う。

ドゥダメルの力量なんだろうか。
オケとの息もピッタリ。ロサンジェルス・フィル完全に手中に収めている。
なるほど人気があるのも頷ける。
若いのになかなかの実力者だ。

最終楽章の最後の一音。
ドゥダメルの指揮が止まった。
10秒を越える静寂の時間。
でも腕は下ろされない。
と、どこからかフライングの拍手が…
あ~ぁ、何で我慢できなんだ。
何でこの無音の時間を楽しめないんだ。

その後は雪崩を打ったような拍手とブラボーの嵐。
ドゥダメルは舞台袖に引っ込んだり、また来たり。
何度目かの登場で、おやっ、オケのみんなが廻れ右してP席のお客さんに深々とお辞儀。
これ、P席に座っていると感動ものなんだよな。
そうそう、この光景、フィラ管の時にも見た記憶が…
もしかしたら、アメリカのオケにとっては当たり前の事なのかな?
これってとても良い事だから、他の国のオケも見習って欲しいなぁ。

追記:
開演前、席に座ってステージをぼんやり眺めていると、見知らぬ男性がいきなり目の前に立ちはだかった。
「6番の第二楽章はつまらないですよね?」とか「マーラーは第二楽章と第三楽章を入れ替えることを考えていたみたいですよ」とか、こちらの反応に全く無関係に話し掛けて来る。
「何なんだ、このオッサンは?」「何で俺に話し掛けてくるんだ?」
昔から、道を歩いていると観光客に道を尋ねられることが多かったけど、そんなに話掛け易い雰囲気なんだろうか?
客観的に自分を見ると、お世辞にもフレンドリーな外見じぁないと思うんだけど…

追記2:
左隣のおばちゃんには参った。
ガムを噛んでいるのか終始口をもごもごしているし、ハンカチで口をおさえたり離したりおさえたり離したり、手拍子はするし、頭をポリポリするし、咳はするし、終いには足踏みまで。
流石にここまで来るとADHDの可能性もあるので注意しても無駄だろうからじっと我慢我慢。
なるべくおばちゃんが視界に入らないよう、左手で左目横に壁を作る。
これで何とか凌げそうだけど、手が疲れるなぁ。

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