恐るべし、インキネン+日フィルのブルックナー7番2015年04月24日




平成27年4月24日(金)

ピエタリ・インキネン+日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番(Pf:アンジェラ・ヒューイット)
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ブルックナー:交響曲第7番


前半はブラームスのピアコン1番。
ヒューイットは、わざわざ愛機「ファツィオーリ」を持ち込むほどの気合いの入れよう。
このファツィオーリ、高音部がスタインウェイより「まろやか」なところが特徴かな?

で、肝心のヒューイットの演奏。
最初から最後までミスタッチが多い!
あれだけの表現力があるのに、もったいない。
もうちょっとミスが少なかったら、さぞかし名演だったろうに…

インキネンのタクトも些か凡庸。
この曲をどう表現したいのかが見えてこない。
第二楽章の綿々たる叙情は流石だったけど。

後半はお目当てのブルックナーの7番。
この前のカンブルランは、きらきらと美しい7番を聴かせてくれたけど、さて、インキネンはどう表現してくれるのでしょう。

結果は…

的確な称賛の言葉が見つからないほどの大名演!
インキネンのタクトは「あっさり系」のイメージがあったけど、良い意味で完全に裏切られた。
テンポは想像していたよりかなり遅め。朝比奈先生やチェリビダッケ翁が天国でニヤニヤしている姿が目に浮かぶほど。
そして、重厚な所は腹に響くほど徹底的に重厚に、艶麗なフレーズは涙がこぼれそうになるほど艶麗に…
30代の指揮者がこれほど老練な棒を振るとは思いもしなかった。

日フィルの皆さんも、いつにも増して素晴らしい!
音が生き生きとしている。
金管、木管、弦、そして打楽器に至るまで精度が高く、かつ力強い演奏。
このところ、日フィルを聴いて失望したことは一回も無し。

いやはや、今後のインキネンと日フィルのコンビ。
目が離せません。


追記:
最終楽章の最後の一音が消え、インキネンのタクトが下ろされるまで、誰一人として拍手をしなかった。
いや~、皆さんマナーが良いなぁと思っていたのも束の間、早々に席を立つ人の多いこと。
そんなに急いでどうするの?

追記2:
プログラムではハース版となってるけど、第二楽章に鳴り物(シンバル、トライアングル)あり。

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