日本フィルハーモニー交響楽団第671回定期演奏会2015年06月12日



2015年6月12日(金)
アレクサンドル・ラザレフ+日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール


ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(Vc:堀米 ゆず子)
 ~ アンコール曲 ~
 バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
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ショスタコーヴィチ:交響曲第8番


誰がいつ決めたのか知らないけど、世に言う「三大ヴァイオリン協奏曲」とはベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーンらしい。
おいおい、チャイコフスキーを忘れているし、シベリウスも絶品だし、プロコフィエフの2番なんてエグくて最高、ドヴォルザークも棄てがたい。
そして、1番カッコイイ「ブルッフの1番」を忘れちゃいませんか?

と言うことで、今回はショスタコーヴィチよりもブルッフを目当てにサントリーホールに行ってきました。
CDではそれなりの数を聴いてはいるものの、生ブルッフは今回が2回目。
ん~、凄く楽しみ!

結果は…
正に鳥肌もの。
これだけの親しみやすい名曲も、堀米さんの手に掛かると気品に満ちて聞こえてくる。
決して100%の力を出し切ることはなく、かなりの省エネ運転。
でも、指揮者やチェリストと交わす彼女のアイコンタクトを見ていると、かなり自分の演奏とオケの演奏にご満足のよう。
その様子を見ていると、こちらも幸せな気分になってきます。

第1楽章、第2楽章、第3楽章、みな素晴らしかったけど、圧巻は第2楽章。
並のソリストだと薄っぺらでつまらない曲になりがちだけど、いや~、堀米さん深いわ~。
こう言う第2楽章なら、第1楽章、第3楽章が引き立つんだよなぁ。

そうそう、どんな都合でタコ8とブルッフを組み合わせることになったのかは分からないけど、ラザレフ先生ありがとうございました。
先生のタクト、しっかり「協奏」していて心地良かったです。


後半はショスタコーヴィチの交響曲第8番。
昨日11日はテミルカーノフ先生がショスタコーヴィチの10番を読響で振って、今日はラザレフが日フィルで8番。
ん~、東京ってやっぱり環境抜群ですなぁ。

結果は…
「咳ゴホゴホおじさん」が最終楽章でやらかしてくれたので、せっかくの名演にケチを付けた形になっちゃたけど、ショスタコーヴィッチの怒り、悲しみ、憤り、絶望、恐怖など、色々な情念が波のように押し寄せてくる素晴らしい演奏だった。
第1楽章最終部のクリストーフォリのトランペット、一気に1オクターブ上げて更に音を絞って綺麗に吹く神業には恐れ入りました。
金管も凄いけど、木管も負けてない。
オーボエは安定感抜群だし、ピッコロ、フルートは流麗だし、バスクラリネット(だと思う)は色気があるし、言い出したらきりがない。
そうそう、打楽器も良かったなぁ。
それを言ったら、弦も言わないと…

今回の演奏。
ショスタコーヴィッチの情念に巻き込まれてかなり疲れたけど、とても満足。
ラザレフ先生、ありがとうございました。

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