なるほど、納得、良い指揮者です。 ― 2014年09月14日
2014年9月14日(日)
ヤクブ・フルシャ+東京都交響楽団@サントリーホール
カベラーチ:時の神秘~大オーケストラのためのパッサカリア(日本初演)
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ブラームス:交響曲第4番
~ アンコール曲 ~
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第10番
チェコ出身の新鋭、ヤクブ・フルシャ氏。
マイミクのブロンさんお気に入りの指揮者と言うこともあり、今日初めてフルシャ氏の指揮ぶりを聴きに行くことに…
ネットで調べてみると2011年にグラモフォン誌で、「大指揮者になりそうな10人の若手指揮者」のうちの1人に選ばれたとの情報もあり、否が応でも期待が高まります。
前半はカベラーチの「時の神秘」。
フルシャ氏と同郷の作曲家とのことですが、今まで全く知りませんでした。
共産主義体制下のチェコにあって、反体制的と見られていたカベラーチは不遇な立場に置かれることが長かったようです。
フルシャ氏もこの同郷の不遇な作曲家をもっと世に知らしめたいと言う純粋な気持ちからでしょう、淡々としかし丁寧に曲を進めて行きます。
都響のメンバーもさすがプロ、日本初演とは思えない流麗な演奏でフルシャ氏のタクトに応えます。
久しぶりに痺れる演奏に出会えました。
後半はブラームスの交響曲第4番。
ブラームスの交響曲と言えば第1番があまりにも有名だけど、完成度を比較するとやはりこの第4番。
第一楽章冒頭から澄んだひんやりとしたハーモニーを奏でるオケの面々。
ブラームス独特の淡灰色の世界が見事に表現されています。
今回初めて氏の指揮を聴きましたが、作曲家の意図と真っ向勝負するその姿には決して派手さはないものの、とても30歳そこそことは思えない堅固さを感じます。
偉そうなことを言わせてもらえるとしたら、今後の課題は「らしさ」の表現でしょうか。
譜面に忠実な指揮をする指揮者として、例えばハイティンクが目に浮かびますが、そんなハイティンクの指揮には間違いなく「らしさ」があります。
もっとも、50歳以上年上のハイティンクとフルシャ氏を比べるのは余りにも酷なこと。
10年、20年、30年後のフルシャ氏の姿を是非見てみたいものです。(30年後はムリかも)
余計な話ですが、フルシャ氏のタキシード。
50過ぎの僕ならともかく、30歳そこそこの若さならもうちょっとウエストはタイトでも良いのでは?
明日も休日と言うこともあり、何とも言えない優雅な日曜日になりました。
サントリーホールのP席に感謝をしつつ、今日は早めに就寝することにします。
明日は特に用事はないけど…
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