ヒラリー・ハーンは外見も内面もスケールアップしていた2015年03月07日



2015年3月7日(土)
エサ=ペッカ・サロネン+フィルハーモニア管弦楽団@東京芸術劇場

シベリウス:交響詩「トゥオネラの白鳥」 「レンミンカイネン」組曲より第2曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(Vn:ヒラリー・ハーン)
 ~ アンコール曲 ~
 バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番よりLoure

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ベートーヴェン:交響曲第3番「「英雄」
 ~ アンコール曲 ~
 シベリウス:悲しきワルツ


驚いたのはハーンの外見。
事前に知ってはいたものの、特におなか廻りが…
ご懐妊説があるのも頷けます。
本当のところはどうなんでしょう?
どこかに事情通はいらっしゃいませんか?

で、問題はハーンの演奏。
結果は、外見に劣らず内面もスケールアップ!
以前とは異なり、限界まで自分を追い込むような演奏スタイルは影を潜め、淡々した、だけど決して無味乾燥ではない味わいのあるものになっていました。
超絶技巧を全面に押し出さず、控えめで内省的な演奏が春の日差しのような心地良さを感じさせてくれます。

アンコールはバッハ。
その静かな語り口は、以前の彼女のそれとは全く異なるものと言っても言い過ぎではない、彼女の深化が見て取れる素晴らしい演奏でした。
今までは彼女のバッハは、刺々しくてあまり好んで聴きたいとは思わなかったけど、これからは考え方を改めないといけないようです。

後半はベートーヴェンのエロイカ。
サロネンのタクトはとても小気味良く爽快!
オケの精度も素晴らしく、弦楽セクションの一糸乱れぬ演奏、厚みのある金管、暖かみのある木管、それらを下支えする打楽器群、全てがハイレベル。
クレンペラーが育て上げたフィルハーモニア管の魂は、今もしっかり受け継がれているようです。

海外のオケでこれだけ満足できたのは久しぶり。
サロネンの功績も評価しないといけません。
良い演奏を本当にありがとうございました。
また来てください。待ってます。

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